最近CMでもよく見かけるChromeBook(クロームブック)は、単純にGoogleが作ったパソコン…ではないんです!
一般的なパソコンと比較して優れた点がたくさんあり、コストパフォーマンスも抜群でとてもおすすめなパソコンですが、一般的なパソコンとどこが違うのか、注意すべき点は何か、分からない方も多いと思います
使って分かったクロームブックの良いところや評価、デメリットについて、パソコン初心者の方にも判りやすく解説します
ChromeBook(クロームブック)とは
ChromeBook(クロームブック)はGoogleが作った「ChromeOS」というOSを搭載したPC(パソコン)のことを示します
例えばAndroidのスマートフォンからiPhoneに機種変更する場合に、操作性の違いに初めは戸惑うと思いますが、これはOSがAndroidからiosに変わることによるものです
しかし、スマートフォンの例もそうですが、現在はどのOSも操作性は「直感的」で同じように操作が可能ですので、慣れてしまえばそこまで大きな違いはありません
また、類似の製品にApple製の「Mac Book air(マックブックエア)」がありますが、Mac Book airはApple製パソコンの製品名であるのに対して、ChromeBook(クロームブック)はChromeOSを搭載して販売されているノートパソコンの総称です
現在は、HP(ヒューレットパッカード)、Lenovo(レノボ)、ASUS(エイスース)、Acer(エイサー)といったメーカーから、ChromeBook(クロームブック)という名前を冠したパソコンが販売されています
ちなみに、Googleではスマートフォンやスマートスピーカーの製造・販売は行っていますが、現状パソコンの製造は行っていませんので、Google製のChromeBook(クロームブック)は存在しません
ChromeBook(クロームブック)の良いところ
起動などの動作がとにかく早い
クロームブックは起動などの動作がとにかく早いです
通常のWindows系PCなどですと、電源を投入してから操作が可能になるまで早くても数十秒から1分ほどかかることが多いと思いますが、ChromeBook(クロームブック)はなんと数秒で起動します
ChromeBook(クロームブック)は徹底的なシンプル化が図られています
スペック(性能)の数字だけを比較すると、ChromeBook(クロームブック)よりも高性能なパソコンはたくさんありますが、ChromeBook(クロームブック)は徹底的なシンプル化によりスペック以上のパフォーマンスを発揮することができます
お金をかければスペック(性能)の良いものを購入できるのは当たり前ですが、ChromeBook(クロームブック)は非常にコストパフォーマンスが良く、値段以上にクオリティが高いパソコンです
万全のセキュリティ対策
- サンドボックス型のアプリケーション管理
- ウィルス対策の自動アップデート(ウィルス対策ソフトがいらない)
- 内蔵ストレージの自動暗号化
- 確認付きブート機能
- 低シェアOS
ChromeBook(クロームブック)には万全のセキュリティ対策が初めから施されています
一般的なパソコンでも追加費用や面倒な設定作業を行えば同様の対策が可能なものもありますが、ChromeBook(クロームブック)では追加費用などは発生せず、パソコンの購入費用のみでご紹介する強固なセキュリティ対策を受けることができますので、順番に判りやすく解説します
ChromeOSはサンドボックスと呼ばれる手法で各アプリケーションを管理しています
サンドボックスとはシステム内でのアプリケーション間の動作を隔離し、連動性を最小限にすることにより、セキュリティ性を高めることをいいます
「砂場の砂を周りに飛び出させないように囲んでいる状態」になぞらえて、サンドボックスと表現されています
もし悪意のあるインターネットサイトで何らかのウィルスに感染してしまった場合でも、被害を受けたプログラムやアプリケーションは隔離されているため、被害は限定的でシステムにおいて最も重要な部分への影響は生じないように設計されています
例えば、近年世界的に流行している身代金型ウィルスは、メールやWEBサイトを介してパソコンをウィルスに感染させ、システムの重要なデータなどを暗号化して読めなくし解除のために金銭(身代金)を要求するといったものですが、ChromeBook(クロームブック)はメールやインターネットブラウザの動作とシステム内のデータは隔離されているため、こういった被害を受けることはありません
ChromeOSはサポートライセンスの期間中は自動的にバックグラウンドでアップデートされ常に最新のウィルス対策を受けることができるため、別売のウィルス対策ソフトをインストールする必要がありません
WindowsOSのパソコンではウィルス対策に別売のセキュリティ対策ソフトを導入することが一般的ですが、ChromeBook(クロームブック)では不要なため、金銭的な負担も抑えることができます
ChromeBook(クロームブック)に搭載されている内蔵ストレージ(パソコンの中のデータ保存領域)に保存されるデータは暗号化されますので、もしPCを紛失したりして悪意のある人間がストレージを取り出しても中身を読み取ることはできません
また、そもそもChromeBook(クロームブック)では各種データを内蔵ストレージではなく、GoogleDriveなどのクラウドに保存することをメインとしており、パソコン自体には極力データを残さないという使用方法を推奨しています
(もちろんクラウドに保存したデータも暗号化されます)
クラウドでのデータ運用については後述します
確認付きブート機能とは、システム起動時に「前回起動時のシステムの状態」との比較を行って、システムに何らか悪意のある変更が加えられていた場合は前回と同じシステムの状態で安全にシステムを起動する機能です
この機能により、前述のセキュリティ対策をすり抜けられてしまってもシステムを守ることができます
ChromeOSの世界的シェアは2020年11月現在、約2%ほど(トップはWindowsの73%)となっており、パソコンの世界ではまだまだマイナーなOSといえます
悪意のある人間の思考として、世界中のパソコンのわずかに2%しか搭載されていないOSをターゲットにするより、大きなシェアのOSをターゲットにする方がメリットがあるため、攻撃が全くないとはいえませんが低シェアのOSは攻撃の対象になりにくい(新しいウィルスなどが作られにくい)といえます
Androidとの相性が良い
- 初期設定がGoogleアカウントとの連携のみで完了する
- Androidのアプリがそのまま使える
- 様々なGoogleのサービスと連携できる
ChromeOSはGoogleのWEBブラウザ「Google Chrome」がベースとなっており、Androidのスマートフォンやタブレットを使用されている方はたくさんのメリットがあります
ChromeBook(クロームブック)の初期設定は非常に簡単です
難しい設定は一切無いため、5分もあればChromeBook(クロームブック)を使用することができます
Googleアカウントをお持ちでない場合でも簡単につくることができます
ChromeBook(クロームブック)では、Androidユーザーおなじみの「Googleマップ」や「YouTube」などのGoogle公式アプリを初めから使用することができますし、Androidスマートフォンでインストールしたアプリも、スマートフォンと同じGoogleアカウントと連携することでChromeBook(クロームブック)でほぼ使用可能です
Playストアで過去に購入したアプリがそのまま使えるため非常に経済的です
スマートフォンでプレイしていたゲームも大画面でプレイすることで、一味違った楽しみ方をすることができます
また、アプリによってはスマートフォンやタブレットの状態と自動的に連動します
(例:GoogleChromeのお気に入りリストや履歴がスマートフォンやタブレットと自動連係される、など)
豊富な製品ラインナップ
ChromeBook(クロームブック)はラインナップが豊富です
- ノートパソコン型
- コンバーチブル型
- 分離型
ノートパソコン型
文字どおり、ノートパソコン型のChromeBook(クロームブック)で、お仕事などで利用される方におすすめのタイプです
ノートパソコン型でも画面がタッチパネル対応のものも多くラインナップされています
後述するタイプよりも画面の構造などが簡易であることから、ほかのタイプよりも安価な製品が多いです
コンバーチブル型
コンバーチブル型とはディスプレイ部分が360度回転し、タブレットのような形状でも使用することができるタイプです
タブレットよりは厚みがありますが、YouTube鑑賞などのエンタメ利用をメインでお考えの方にはおすすめです
また、海外ではChromeBook(クロームブック)の教育現場への導入が進んでおり、学習ツールとして活用されています
Googleには教育向けコンテンツも多くラインナップされていますので、学習用途での利用もおすすめです
分離型
分離型とはキーボードが取り外しできるタイプです
キーボードが不要な時は取り外せるため、普段タブレットとして使用したい方におすすめです
価格が比較的安い
ChromeBook(クロームブック)は徹底的なシンプル化が図られているため、余計なアプリケーションや機能が排除されています
そのため、製品にもよりますがChromeBook(クロームブック)本体の価格はWindows系パソコンやMacBookと比較して安価です
しかし前述のとおり、値段に対するコストパフォーマンスは非常に良いです
比較的安価ですし、利用時間やコンテンツを制限できる機能もありますので、お子様向けに初めてのパソコンとしてプレゼントするのもおすすめです
購入特典がたくさんある
Chromebookには様々な購入特典があります
本来であれば有料のGoogle系サービスを一定期間無料で利用できます
詳しくはこちらの記事を参考にして下さい
ChromeBook(クロームブック)のデメリット
WindowsやMacOS用のアプリケーションが使用できない(officeソフトは使えます)
ChromeBook(クロームブック)は前述のとおり、ChromeOSというGoogle独自のOS(オペレーティングシステム)を搭載したパソコンです
ChromeOSで使用できるアプリケーションはChromeOS用に作られたアプリケーションのみのため、Windowsパソコンで利用しているアプリケーションは、ChromeBook(クロームブック)では使用できない可能性があります
ChromeOSのパソコンにおける全世界シェアは約2%と第1位のWindows(約73%)に大きく水をあけられており、対応しているソフトウェアはWindowsに比べて多くありません
とはいえGoogleはWindows向けのアプリケーションに代わる多くのアプリケーションを提供していますし、ChromeOSに対応しているアプリケーションも増えていますので、私は一度移行した後そこまで大きな不満は感じませんでした
現在Windowsパソコンなどを使用されていて、パソコン買い換え後も外せないアプリケーションがある方は事前にChromeOSでも利用可能か確認した上で購入されることをおすすめします
WordやExcelなどのofficeソフトは使用できます
Windows向けアプリケーションの代表ともいえる「Word」「Excel」「PowerPoint」はChromeOSでも使用できます
方法は2種類あります
Androidスマートフォンやタブレットにも標準でインストールされている場合が多いですが、WordやExcelの編集に互換性を持ったアプリケーションをGoogleが提供しており、そのアプリケーションを使用する場合は無料でWordやExcelを使用(ファイルの編集・保存)ができます
一部機能はWordやExcelに及びませんが、十分編集を行うことができます
「Word」 は 「Googleドキュメント」
「Excel」 は 「Googleスプレッドシート」
「PowerPoint」 は 「Googleスライド」 がそれぞれ対応しています
MicrosoftはChromeOS向けにMicrosoft Office編集用アプリケーションを提供しています
閲覧は無料版でも可能ですが、編集は有料版をインストールする必要があります
無料版、有料版いずれもPlayストアで入手できます
Wi-Fi環境がないとパフォーマンスが低下する
ChromeBook(クロームブック)は様々な処理にインターネットによる通信を使用するため、オフライン(インターネット非接続)環境での利用には向いていません
また、ChromeBook(クロームブック)は大きなストレージ(データ保存領域)を備えておらず、写真や動画などの大きなデータ保存はクラウドを利用することが前提となります
これにはGoogleの提供しているGoogleドライブなどのクラウドサービスへの加入する必要がありますが、月々数百円でデータも保全してくれますし、そもそもストレージなどのパーツに費用をかけない分、ChromeBook(クロームブック)本体の購入費用が抑えられているため、むしろメリットの方が大きいと思います
クラウドに保存されているデータの読み出しはオンライン(インターネット接続)時でしか行えませんので、オフラインでも使用する可能性のあるデータなどは、パソコン本体にも保存する必要があります
(オフライン時に編集したデータは次回オンライン時に自動的にバックアップされます)
ChromeBook(クロームブック)の購入をおすすめしたい人
✔ コストパフォーマンスの良いパソコンが欲しい方
✔ 自宅やカフェなどWi-Fi環境での利用をメインにお考えの方
✔ パソコンとしてだけではなく動画視聴などエンタメ利用もお考えの方
✔ WindowsなどのPCに利用を外せないアプリケーションが無い方
✔ お仕事などをブラウザベースで行っている方
ChromeBook(クロームブック)は非常にコストパフォーマンスの良いパソコンですので、購入予算がそこまで多くない方でも性能の良いパソコンを手に入れることができます
前述のとおり、ChromeBook(クロームブック)はインターネット接続を前提とした作りになっています
オフライン環境での利用が前提の方にはおすすめできませんが、自宅やカフェなどのWi-Fi環境で利用されることをお考え方にはおすすめです
製品のラインナップが非常に豊富ですので、ユーザーのニーズにあった製品を選択することができます
動画視聴などのエンタメ利用がメインの方にはタブレットのような使い方ができる製品もありますので、おすすめです
現状Windowsなどのパソコンを使用されていて、パソコンを買い替えた後も使用したいアプリケーションがある場合は、事前にそのアプリケーションがChromeOSに対応しているかをよく確認してください
ChromeOSは全世界シェアが約2%と低シェアのOSのため、互換性のあるアプリケーションがそこまで多くありませんので、買い換え後も利用したいアプリケーションがある方は要注意です
ChromeBook(クロームブック)はブラウザベースの作業(GoogleChromeなどのインターネットブラウザ上で行う作業)とは非常に相性が良いです
日々のお仕事などをブラウザベースでされている方には非常におすすめできます
まとめ
ChromeBook(クロームブック)は独自OSを搭載したパソコンのため、敬遠される方が多いと思いますが、非常に使い勝手が良く、コストパフォーマンスに優れたパソコンです
導入には前述のデメリットもありますが、条件が合う方には非常におすすめです
本記事が購入をご検討中の方の参考になれば幸いです
コメント